「機械屋さん」と「電気屋さん」
機械工学は「経験工学」であると言われています。
「機械屋さん」は新規の機械開発であっても、「要求仕様を基本的に満たす原理」と「これまでの経験を元に類推」し、使い勝手・安全性を考慮し全体を見渡しながら開発を進めていきます。
このとき、機械の制御は機械の重要なファクターであるため、制御を担当する「電気屋さん」と緊密に連携し、制御部分を固めていきます。
こうして機械設計が終了すれば電気設計へバトンタッチし具体的な制御設計を開始するとともに部品加工工程へと移行します。・・・・・
さて、納品し新規開発が一段落、次の段階(コストダウンを図る段階と機械屋は思っている)となったときのことです。
次の機械の納期は迫ってくる,しかしこの段階でコストダウンを図っておかないと更に台数の増えると想定される次の次の段階でコストダウンを図ることは更にリスクが大きくなる...
と考え、組立の容易化と構造的に大丈夫と考えるコストダウン対策を提案したときのことです。
「ほんとに大丈夫か?」と電気屋さんから何度も念を押されるので
「それほど心配にならその部分を試作してみよう」と答えると「いや、全体を作ってみないと試験にならない。なぜならばその部分の変更が全体に与える影響は全体を作ってみなければ分からないから」という回答。
確かに厳密に言えばそうなのだが....
これまでの経験からすれば「大事を取った開発機」の実感とそれからの「支障がないと考える変更」はその部分だけの試験でほぼ判断可能
と考える機械屋さん(私)との考え方の違いを 久しぶりに経験しました。